ECD 地球中心デザイン研究所 / 超環境配慮型内装工事
日本
ECD(地球中心デザイン研究所) 超環境配慮型内装工事 - 地球について考えるための時間と空間をもつ地球中心の内装工事 -
Video © 保坂猛建築都市設計事務所
TBWA HAKUHODOが設立した新会社「ECD(地球中心デザイン研究所)」のオフィス内装計画。
設計から竣工まで環境配慮を徹底し、既存オフィスの建材や家具の再利用、再利用できないものは「産業廃棄物マニフェスト」を徹底管理し再利用100%を達成、超環境配慮型内装工事を行った。この条件下で「地球中心」をコンセプトに地球のことを考えるための空間デザインを行った。
ECDの会社コンセプト「地球中心」を元に「地球について考えるための空間と時間をもつオフィス」を計画。
古代からの地図をガラスに印刷して製作した15台のガラステーブル「THE EARTH TABLE」が並ぶ「地球の間」は、ガラス天板の地図が床面に写像として浮かび上がる。
自然光の変化により写像の濃さが変化する地球を感じる空間である。
夕方になると45mの水平窓辺空間が青く点灯する「ブルーカウンター」は、宇宙空間から見た地球のサーフェイス(アースリム)を彷彿とさせ、毎日の決まった時刻に地球について考える時間を与えてくれることを願い計画した。
大人数のイベントに対応する「シロクマホール」にはTHE EARTH TABLE製作時の端材を用いて廃材再生士により製作されたシロクマが佇んでいる。
「ECDエントランス」の会社ロゴECDはホタテの廃貝殻を用いて製作されていたり、「Whole Earth Library」にはWhole Earth Catalogが並んでいたりと、それぞれの空間に地球について考えさせられる要素が散りばめられている。

地球の間 / 人類が地球を俯瞰してとらえ、叡智とセンスを集結して作成された「地図」 太古の時代から現代にいたる地図のデータを入手し(著作権を確認)、透明強化ガラスのテーブル天板に印刷(フィルムプリント)、テーブル直上の照明の光が床に落ち、地図の写像が床に照射される空間デザインを構想した。
写真 © 井上登

暗くなるにつれて地図の写像はくっきりと照射される。この空間の様相の変化は、水平横長窓から入る自然光の変化によるもので、 1日の時間の流れを身体で感じながら仕事ができるワークプレイスの計画。人類が地球について考えてきた時間と空間の延長の上に、この「地球の間」が今から地球について考える時間と空間となることを願い計画した。
写真 © 井上登

THE EARTH TABLE no.15 [ The Blue Marble ]/ 太古から現代の15枚の地図のデータを入手。強化ガラスのテーブル天板に印刷(フィルムプリント)し、国産栗材フレームに乗せTHE EARTH TABLE (no1-15)と名付けた。
写真 © 井上登

ECDエントランス / ECDのロゴはシェルテックというホタテ貝殻再生材を用いて3Dプリンターで製作。この青色塗装は、塗装やさんの持っている他の現場で余ったペンキを調色して塗られている。
写真 © 井上登

シロクマホール / 月に3~4回、多い時には50人規模のワークショップが行われるイベントスペース。 加治聖哉さんの廃材アート作品シロクマを置き「シロクマホール」と名付けた。 実寸大のこのシロクマは、地球の間のテーブル「THE EARTH TABLE」制作時に発生した端材(国産栗材)を用いて製作されている。
写真 © 井上登

ホールアースライブラリー / 壁面にwhole earth cataloge(スティーブ・ジョブスが愛読)を展示したライブラリー。 創刊号(1968年FALL)の表紙を飾ったのはNASAから発表された、宇宙に浮かぶ地球の写真。 この本は地球を俯瞰してとらえ、有限な地球環境について人類が考えた痕跡として有名であり、この延長上に、ECDが地球のことをこれから新しく考える時間と空間があるという思いで、地球の間の一角の壁面に、ホールアースライブラリーをつくった。
写真 © 井上登

解体時の発生材数量調書 / 既存を全て拾い上げ「発生材数量調書」を作成(ガラス、自動ドアや引戸、タイルカーペット、ライダク、家具、家電など全て)この中で[再利用1]:新オフィスで可能な限り再利用、[再利用2]:新オフィスで再利用できないものは他の場所で再利用、[リサイクル]:再利用できないものは、資源としてリサイクル「産業廃棄物マニフェスト」を徹底管理することにより、建材ほぼ100%、家具・設備100%再生/再利用することに成功した。
図面 © 保坂猛建築都市設計事務所